部門全体

私語をなくする方策

 受講生が多すぎるという授業担当者のみでは解決できないことと,反応がないという掴まえどころのない問題をべつにすれば,欠席が多いことと私語 は,授業においてもっとも目につく2大問題である。この2つは,効果的であるかは別として,対策が考えやすいので,とにかく教師は工夫している。まず,最 初の授業でなぜ私語が悪いか説明し,授業中には私語が発生したら,ただちに教師は反応する必要がある。注意をしたり,学生をじっと見たり,私語の内容を聞 いたりする。退室によってけじめをつける教師も多い。次に考えられるのは,学生に授業に集中させる工夫である。さまざまなテクニックがある。また質問を多 用して学生に緊張を強いるのもひとつの方法である。また,「北風と太陽」の話における「太陽」のような手段がある。授業内容をやさしくしたり,学生とのコ ミュニケーションを工夫するのである。

(c.1)最初の授業で私語がなぜ悪いか説明する(11)

 学生は私語をすることが悪いことであるとあまり認識していないようである。平成11年1月の成人式で全国のあちらこちらで記念講演会の講師が私語や形態 電話など新成人の話を聞く態度がひどいので激怒したということが新聞で報道されている。私語はなぜいけないかを説明する必要がある。
■学期初めに私語がいかに迷惑であるかを説明する。
■他人の権利を侵害していることを強調。
■最初の授業で「授業のマナー」について講義をする。「授業のマナー」は板書するか,紙に印刷したものを配る。それでもうるさいときは,黒板の右端に「授 業中私語をしてはいけません」と板書する。(以前書いたときは,何故か前期中残っていた。他の先生も重宝していたよう。掃除のオバサンも残しておいてくれ たようです。)
■授業の最初の時間に,くどく,私語をしないように頼む。これは学生によるでしょうが,私のしている授業では,その後2,3回注意する程度ですんでいる。
■一方的ではあるが,最初の授業2~3回続けて「私語はやめよう。どうしてもなら後ろのほうから退室,済めば戻るように。」と約束させる。
■講義では出席はとりません。講義の最初に,学生と約束をします:「私語したいのだったら講義に出るなと。出る以上は他の人に迷惑のかからないように,私語せず,真剣に講義を聞くようにと。」 私語をする学生は,退出してもらい,講義後研究室で話をします。
■授業中の科目が後日必要になることを強調するとともに,この科目は応用範囲が広い重要な科目であることを講義のなかで時々聞かせる。
■私語は他の学習者の意欲をそぐだけでなく,私の意欲もそがれてしまうことから悪循環になることを時間をかけて話してあるので,私が注意しても守れない場合学生を部屋から出しています。(他の学生は同意済み。)

(c.2)私語に反応する

 私語をやめさせるつもりなら,始まった時点でただちに対抗策をとらなくてはいけない。

(c.2.1)ただちに注意する(8)

■私語は,常に,即座に,きぜんと対処する。
■これは特に注意したほうがよい。『そんなに話したいならば,喫茶店か外へ行って話しなさい。』とでも言ってはどうか。最近の学生は怒られた経験がないのではないかと思われる。
■授業が中断されるが,その都度注意し,あまりひどいときは退室させる。
■うるさいときは怒る。やめなければ出席点は全員無効とする。
■私語をする学生の名前をよび,質問する。私語が出た時点で直ちに注意し,私語が拡まらないようにする。
■一言注意するだけだが,効果はある。こちらが,学生を大人として扱いたい意識を明確にするだけで私語はほとんどなくなる。
■しゃべっている学生に対しては最初は静かにするように注意する。それでもおさまらない場合は「やる気の無いやつはここから出て行け!」と強い口調で言う ことにしている。実際はこの仕事を始めて6年間にこのようなことを言ったのは,幸い,せいぜい2,3回であり,学生は普段はおとなしくしている。

(c.2.2)私語をしている学生をじっと見る(4)

■2人 or 3人程度の私語のときには,そちらを見つめて終わるまで待ち,終わったら「もういいですか?」 or 「なにか質問ですか?」と尋ねる。
■どうしても非難・叱責の気分の時には,授業を中断しその学生の方向を見つづける。クラス中がシーンとなって再開する。私語殆どなし。居眠りも同様に必ず起こす。
■感情的になるともう終わりである。授業を中断して静かになるのを待つのも手である。
■学生が静かになるまで,だまって立っているか,小さな声と小さな字で講義を始める。

(c.2.3)私語の内容を聞く(3)

■単なる私語にも返事をして,授業中に話すことは,クラスの全員ないしは講師と会話をすることだという意識を持たせる。
■私語はいっさいない。ささやきであっても,すぐに「何か問題があるか」と問い掛けることにしている。
■気がつき次第,全員の前でその学生に向かって必ず,その私語の内容を聞くようにしている。気になること,疑問等があれば何でもよいから私に向かって発言するよう要求している。

(c.2.4)退室させる(7)

■あまりひどいときは退室させる。
■ひどいのは退室させる。「単位の認定」に書いてあることを,厳しく実行する。
■退室を言い渡す。(1度やると1回位は効果が持続する。)講義室では講義者は『絶対君主』としてふるまうべきだと思う。
■講義では出席はとりません。講義の最初に,学生と約束をします「私語したいのだったら講義に出るなと。出る以上は他の人に迷惑のかからない様に,私語せず,真剣に講義を聞くようにと。」私語をする学生は,退出してもらい,講義後研究室で話をします。
■私語をしている者と,その周辺の者 3 ~ 4 名,多いときは 10 名ぐらい退室してもらう。理不尽だが,全く話しをしていない者にも影響が及ぶのを恐れて,次回からは私語はぐんと減る。学生は教官に迷惑をかけることにつ いてはあまり認識しないが,友人に迷惑がかかることを恐れる。
■次のように学生達に言えばよいのではないか?
「私語をしているものは外で話しなさい。授業に集中している人の迷惑になることは許しません。」
こういうと,話をやめるか,外に出るようです。もっとも魅力ある授業をするのが,一番の対策でしょう。
■これは特に注意したほうがよい。『そんなに話したいならば,喫茶店か外へ行って話しなさい。』とでも言ってはどうか。最近の学生は怒られた経験がないのではないかと思われる。
(c.3)さまざまなテクニック(11)
 ここには私語をおさえるためのさまざまなテクニックを集めた。例えば,小さな声で話すというのは古典的な手段であってよく引き合いにだされるが,知っているだけでは駄目で実行して効果を確かめなければいけない。
■小さな声と小さな字で講義を始める。
■時間の初めには私語がある程度収まるまで待つ。
■学生の方に向く時間を増やす。
■時々学生のまわりをまわって注意力をつける。
■うるさいときは怒る。やめなければ出席点は全員無効とする。
■以前はどなって静かにさせていたが,最近は話の合間に教室内を巡回するようにしている。
■線形代数の講義の始まりは,かなり騒々しいが,小テストを出すとおとなしくなる。
■前の席からつめさせる。後の席に「単位を必要としない」聴講生及び,TA,RA(今回はそれぞれ,日本人M1,留学生D2)の席。
■気になること,疑問等があれば何でもよいから私に向かって発言するよう要求している。
■なくすことはあきらめて,マイクロフォンを使って私語のうるささに打ち勝つ。
■大人数の私語でうるさいときには説明のときの声を大きくしてこちらに集中させる。
(c.4)質問を多用する

 質問を多用すると学生は気が抜けないので,私語がしづらくなる。筆者もこの手をよく使う。

(c.4.1)学生に質問しながら授業を進める(4)

■学生に質問する。
■質問を多くすることで防げる。
■授業中に発問しながら授業を進めることで,私語がなくなっている。四年生(ルーム生)を参加させることによって意欲,関心が高まり,それに伴なって基礎学力が高まっているように思われる。
■簡単な計算を学生を指名してその場でさせる。時々まちがえて,どこでまちがったか学生に聞くことにしている。

(c.4.2)私語をしている学生に質問する(5)

■私語をする学生の名前をよび,質問する。
■時間中,私語をする学生を指名して質問する。
■私語をしている学生に,今説明していることを質問する。または,黒板で計算をさせる。
■私語を行なった学生に,黒板に書いた事項(定義など)を質問し答えさせる。答えることが出来ないときに,私語していた為であることを指摘する。
■大量の質問をするので,うしろをむいたり私語を行ったりしている人は,どんどん当てられる。必然的に私語は一切ない。
(c.5)講義の工夫

 学生への質問を多用したりさまざまなテクニックを使っても効果がないときは,講義の内容自体を見直さなければならない。授業内容が理解できなければ,それがたとえ学生の責任であっても,学生の意欲は高まりようもない。

(c.5.1)内容を易しくする(4)

■講義内容を更新する。
■クラスの学生の大多数が理解できるような授業でないと,今や学生はついてこない。わからなければ意欲の高まりようもない。落ちこぼれがでないように最大限の配慮をした。一方意欲ある学生は自由にやっていけるような受け入れ態制をつくっておくことも必要である。
■以前騒がしいときに,学生に問題を解かせると出来ませんでしたので,講義内容を相当簡単にしました。すると静かに聞くようになりました。それ以来学生が騒がしいときには講義の内容が難しいのではないかと考えるようになりました。
■一年生のクラスとは別に再履修生のみのクラスを設けているが,授業の内容やレベル等,クラスに対応して選べるので効果が上がっている。

(c.5.2)授業の進め方を工夫する(2)

■中,高校の授業に近くなるが,講義に関する基礎的な事柄を対話方式で,理解をはかる。
■講義の話はゆっくりと,1コマの中で数回繰り返す。板書は大きく。
(c.6)その他

 ここには,なるべく話を興味持てるようなものにしたり,学生との関係をよくして教室に引きつけようとする工夫と,出席をとらないなどの方法を集めた。

(c.6.1)学生をひきつける工夫(5)

■なるべく話を興味持てるようなものにするようにして,学生を引き付けるように努力している。
■十分に講義の準備をして,真剣に話しかける。
■私が出来るだけ元気に。
■教官が,休講,遅刻をなくし,大きな声で元気に魅力のある授業をすれば,かなり改善されるのではないか。
■もっとも魅力ある授業をするのが,一番の対策でしょう。

(c.6.2)学生とのコミュニケーション(2)

■普段から学生と顔見知りになっておく。(顔を覚える)
■(a)-(h)の個々の点について明確に対処しているわけではないが,講義において学生とのコミュニケーションを行っているということを念頭に置くことで,(a)(b)(c)(h)を解決しようとしている。

(c.6.3)出席をとらない(3)

■講義では出席はとりません。
■出席をとらなければ,興味のない学生は休むので私語は減る。
欠席,遅刻は認めるべき。
■(b)(とくに欠席)と (c) はおそらく相反する問題で,出席したくないものを無理に出席させるとそれは私語の増大を招くと思われる。私個人は (b) (欠席)は他人にめいわくをおよぼすものではないが,(c) はまわりに多大なめいわく(講師にも)およぼすものと考えていっさい出席はとっていない。

(c.6.4)一律には禁止しない(2)

■ただ叱ってもダメ。私は小テストの際には,私語を許すことにしている。
■板書や内容確認の私語も多いので一律に禁止してはいけない。
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