部門全体

自分で考えさせる方策

 自分で考え始めさせるには,きっかけを作ってやる必要がある。学生を啓発したり,授業におけるさまざまな手段が考えられる。問題を解かせるときにも工夫がある。レポート・宿題にも工夫の余地がある。

(f.1)啓発する

 直接的あるいは間接的に,考えることの重要性を学生に伝える工夫が必要である。

(f.1.1)自分で考えることを促す(6)

■数学以外でも自分で考えることの重要性を折にふれて述べる。
■常に,先ず自分で考えるよう求める。下手な不十分なレポートでも引き写しでないものであれば,顕彰する。
■導入部に教科書に書いていないことを話し,各自で学習することを自覚させる。
■教科書にとらわれず,思いきって変更することにより,なぜ私がこのように変更するかを考えさせる。
■講義の中の雑談(本当はそうではないのだが)で,学問は本来自発的である,etc を話す。
vすべて“自主性”が必要なものでしょう。ではどうしたら“自主性”が育つか。これは百人百様でこれといった決め手はないと思います。(百人百様だからこ そ,“自主性”だとも言えます)。「視聴覚教育」等の「工夫」により一時的に興味を引き付けたからといって大して役に立ちそうに思えません。結局,学問の 楽しさ,難しさ,素晴らしい点,役立つ点等を伝え続け,学生がそれを“自主的”に受け止め,そして進んで来てくれるのを“待つ”しかないと思います。

(f.1.2)数学の学習のしかたを教える(3)

■「考え方」を教える。
■数学の学習の仕方について,体験にもとづいたアドバイスをしている。
■少人数(25人程度)の科目(数学演習,基礎数学)では,ほぼ毎回30~40分の小テスト(問題演習)をしている。必ずしも点数はつけないが,解答法の添削をしている。
 (f.2)授業授業での説明の工夫(4)

 ここに集めた工夫は(f.1)のものよりは間接的であるが,授業でのさまざまな工夫によって,学生が自分で考え始めるように誘導することを狙っている。

(f.2.1)授業での説明の工夫(4)

■やさしい内容から授業を始める。TAを使っている。
vできるだけ,説明を疑問形で終わるように努力はしているが,これが効果的かどうかは『?』で
■大学の教育の最も重要な事柄である。学生一人一人の理解の早さは違うので,考える十分な時間と余裕を与えるようにしている。
■証明の説明でも,図を多く用いて説明し,具体的なこととしてとらえられるようにしている。

(f.2.2)授業の目標の明確化(1)

■この授業の目標とする点を最初に示し「・・・」ができるようにしたい。ということを常にカンバンにする。例「 z = f(x,y) の極値をもとめること」

(f.2.3)学生の興味を引く(1)

■学生は,自分の専門には興味をもち,よく質問もします。たとえば,文系の学生向けに,『源氏物語』の統計的な文体研究のはなしは受けます。ただし,このようなテーマの手持ちは少なく,準備が必要です。

(f.2.4)学生に質問する(2)

■講義中に(クイズのような)簡単な質問をしています。
■授業中,可能な限り学生に質問し,応答することを要求する。

(f.2.5)学生に説明・証明をさせる(4)

■質問を受けるとき,まず自分でどこまで考えたかを説明させる。
■講義中でも学生に参加させるようにする。説明のやさしい部分を問にしてやらせる。
■証明を途中までして後は時間をとって考えさせたり,簡単な証明を授業中に行わせたりしている。
■演習問題の解答の説明を学生にさせることが自分で考えさせることになるのではないかと考えて実行しています。メモを見ずに説明させるべきかと考えていますが,現在はメモを認めています。

(f.2.6)学生と議論する(3)

■結論や方法をただ教えるのではなく,できるだけ学生と議論をするようにしています。
■QUIZ(討論をまとめる形式の小テスト)により,わかっている為に他人にものを教えることが出来る快感を味わってもらう。討論,討議することで,いろいろな考え方を他人から教わる。
■演習問題は家で解いて来て,講義開始前に黒板に書かせ,必ず発表者と discussion してみせる。多くの場合再度修正させることになる。(時間が足りない!!)

(f.2.7)問題を解かせている間の個人指導(2)

■講義終了後,必ず演習を行い,机間巡視を行い,個人的に指導する。
■講義中に学生にノートで問題を解かせる。問題を解かせている時間帯に歩いて見てまわり,個人個人の質問に答える。
(f.3)問題を解かせる

 問題を解かせることによって,考え始めるきっかけを作ろうとする方法である。問題に少し工夫をこらすこともある。学生に問題を作らせる,証明問題をだ す,正誤問題を出すなどである。正誤問題は非常に易しい問題にしないと学生はできないが,難しい問題でなくても効果は大きい。

(f.3.1)問題を解かせる(15)

■適宜,演習問題を課す。
■出来るだけ時間内に,演習の時間を確保する(15分程度)。
■講義時間の 2/3 は演習にあてている。(ただし,授業進度は大変遅くなる。)
■講義終了後,必ず演習を行い,机間巡視を行い, 個人的に指導する。
■講義に問題を多くつける。それ以上に演習をとるようにすすめる。この効果を上げるのは,相当に難しい。
■たとえ授業に付随して演習が設けられている場合でもなるべく授業の中に小テストや演習の形で自分で考える時間を作るようにする。
■講義中に学生にノートで問題を解かせる。問題を解かせている時間帯に歩いて見てまわり,個人個人の質問に答える。
■小テストを出来るだけ多く行い,成績の良い学生は期末テストの受験を免除している。また小テストを行ったときは,必ず次の時間には採点結果を返している。
■前述したように,毎時間問題を解かせて提出させている。個人個人の習熟度も把握できてまずまずの効果。
■少人数(25人程度)の科目(数学演習,基礎数学)では,ほぼ毎回30~40分の小テスト(問題演習)をしている。必ずしも点数はつけないが,解答法の添削をしている。
■クラスによっては授業開始後5分間豆テスト(前回分の簡単な復習を兼ねている)を実行し,答案を交換させ,模擬解答をしてみせ,学生に採点させ回収する。
■授業中にできるだけ演習の時間をとり,基本的な問題を解けるだけの能力を身につけさせる。その上で宿題を出す。概して教科書にある問題は難しく,学生が 自分では解けない。自分(教官)が問題を解けるようにして作り直す必要がある(とれそうでとれないノックの打球)。できそうな問題を宿題にしないと意味が ない(本の後ろの解答の丸写しで終わり)。
■課題を与えると,2,3の者は自分で考えるようであるが,他は同じような解答となり,うまくいっていない。試験は良い方法であるが,何回もできない。演 習が大変良いのであるが,忙しいのか1コマがうまる程には解いてきてくれない。(学生は授業のつめすぎか?) 今のところ私にとって最良の方法は,授業の 最後に考えてもらう小課題(質問あり,相談あり)の提出である。

(f.3.2)問題を工夫する(5)

■各学生個人の性格を見て,それにあった問題を出し考えを深めていってもらうことが必要に思う。
■確率に関する面白い問題等々を出して,自分で考えて解答を出すことで期待する。(授業の中でそれをやる暇はない)
■授業の最中に必ず簡単な問題を用意して,各自がノートで解くよう促す。ぼーっとしている学生が3分の1ぐらいいるが,さらに問題を簡単にしてノートに書いて解くよう何度も言う。ほぼ全員が解き終わるまで辛抱強く待つ。
■数学的な解説は,典型的な正規分布のときに留め,t分布等は,同じ考え方をすることの指摘に留め,読むべき参考書のページを指摘している。ただし学生が自分でそれをやったかどうかは不明です。
■概して教科書にある問題は難しく,学生が自分では解けない。自分(教官)が問題を解けるようにして作り直す必要がある(とれそうでとれないノックの打球)。できそうな問題を宿題にしないと意味がない(本の後ろの解答の丸写しで終わり)。

(f.3.3)学生に問題をつくらせる(3)

■演習問題を解くだけでなく,自分で問題を作ることも課題として出し,評価に含めます。
■教科書の問の類似問題を自分でつくって解いたものを,好きなときにレポートとして出させる。(出さなくてもよい)
■中間テスト,期末テストの問題を,講義内容を踏まえて,学生が自分で作り,解答させる。更に,そのような出題をした趣旨,出題のねらいを説明させる。

(f.3.4)証明問題をだす(2)

■試験において,証明問題を出す様にしている。
■少し計算すれば法則が見つかるような証明問題を演習問題として出す。このレポートについては結構高い評価を与える。

(f.3.5)正誤問題をだす(1)

■正誤問題では,自分が証明できないから,この命題が間違っているという解答も初期のうち見られるが1年もすれば,どのように主張していけばよいかわかるようになる傾向がある。

(f.3.6)課題を口頭で伝える(1)

■ 時々課題を口頭で伝える。この時は板書はしない方がよいようである。
(f.4)レポート・宿題

 レポート問題・宿題をだすのも基本的な手段である。すこし工夫するとなおよい。

(f.4.1)レポートをだす(3)

■レポートを提出する。
■レポート課題を頻繁に出す。
■2,3年の選択科目に対しては,筆記試験を止めて,レポート試験にしている。(安易な問題を形式的に出さなくても済むメリットあり)。

(f.4.2)宿題をだす(4)

■毎回宿題を出すようにしている。
■宿題を毎回出して,沢山の問題を解いてもらう。
■授業中にできるだけ演習の時間をとり,基本的な問題を解けるだけの能力を身につけさせる。その上で宿題を出す。
■大学の教育の最も重要な事柄である。学生一人一人の理解の速さは違うので,考える十分な時間と余裕を与えるようにしている。宿題にあまり厳格な期限はつけない。遅れても多少減点するが,受けつけると言っている。

(f.4.3)レポートの課題を工夫する(4)

■レポートの問題をそれぞれに異なるテーマで出す。用いる言葉は日本語に限定しない。
■また,「統計学」においては,実験のデータを整理させ,それについて自分の考えを述べよ,というようなレポートを課している。
■半年に2回程度レポートを課すが,その内容としては自分で実例を構成するようなもの(つまり,他人のレポートや教科書をうつすのではなく,自分で考えざるを得ないもの)を意識的に入れている。
■セメスター制でないので前期試験は,夏休み後である。今年はたまたま後期に行うが,昨年までは夏休みに何か興味をもった数についてまとめてくることを課題として与えた。(特に文系の学生を考慮し,歴史や,いろんな切り口を評価するように心がけている。)

(f.4.4)まとめをさせる(2)

■講義のまとめのレポートを課して,自ら数学を考え,その考えを表現するようにさせている。
■QUIZ(討論をまとめる形式の小テスト)により,わかっている為に他人にものを教えることが出来る快感を味わってもらう。討論,討議することで,いろいろな考え方を他人から教わる。
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