部門全体

自発的に勉強させる方策

 「自発的に勉強させる」ということは「自分で考えさせる」よりも,さらに一段高い境地に学生を導こうとするものである。やはり学生を啓発する工夫 が必要だが,おもしろい本を薦めるなどの方法になる。また学生中心に考えて,自由課題を与えたり自主ゼミを薦めることにもなる。授業での工夫や問題を解か せることなども有効である。

(g.1)啓発する

 「自発的に勉強させる」ことは一段高い地点を目指しているのであるから,ここでの回答は学生は既に問題などは自分で考えて解こうとしているという前提で の回答かもしれない。そうすると心構えを話すというようなことも生きてくるだろう。面白い本や演習書を薦めることも自分で考え始めた学生に対する工夫であ ろう。

(g.1.1)心構えを話す(4)

■学習は主体的な行為であることを自覚させ,ひとが一生懸命学習してよく理解しても自分が理解したことにはならないことを自覚させる。
■例えば,π についてたとえ小数点以下30億ケタ既に知られていても30億+1ケタ目を求めるのは,新たな未知への一歩であり,アルキメデスが,小数点以下2ケタを求 めたときと同じ未知が我々を待っていることを強調している。人類が知っていることは,ほんの少しの事実でしかないことを納得してもらいたいと思っている。
■最初の時間に学生に次のように言い渡す。
「この講義での単位の取り方は2通りある;(a)1つは講義中の小テストを受けて,その積重ねとして成績評価される方法;(b)講義などは無視して自分自身で勉強し学年末に口頭試問で成績評価される方法。」
(b) を望む学生の出現を期待しているのだが,この方法を始めてから3年間残念ながらひとりもいない。
■すべて“自主性”が必要なものでしょう。ではどうしたら“自主性”が育つか。これは百人百様でこれといった決め手はないと思います。(百人百様だからこ そ,“自主性”だとも言えます)。「視聴覚教育」等の「工夫」により一時的に興味を引き付けたからといって大して役に立ちそうに思えません。結局,学問の 楽しさ,難しさ,素晴らしい点,役立つ点等を伝え続け,学生がそれを“自主的”に受け止め,そして進んで来てくれるのを“待つ”しかないと思います。

(g.1.2)おもしろい本を紹介する(2)

■与えられた授業以外に自分で勉強しようとする学生が少ない。普段の授業で参考書を紹介したり,少し脱線して面白そうな数学の話を紹介してもどのくらいの学生が実際に勉強しようと思ってくれるかが疑問である。
■おもしろい本を紹介する。自主セミナーのやり方を説明する。

(g.1.3)演習書を薦める(3)

■余力のある学生に,授業のペースにこだわることなく,自分でどんどん勉強していくように,と常々言っている。また普通の学生にも,指示されなくても演習書(解答がしっかりしている)で,できるだけ問題を解くようにすすめている。
■数学的な解説は,典型的な正規分布のときに留め,t分布等は,同じ考え方をすることの指摘に留め,読むべき参考書のページを指摘している。ただし学生が自分でそれをやったかどうかは不明です。
(g.2)学生中心の工夫

 個々の学生との接触を増やし,その学生に応じた指導が有効である。これには教師の負担が大きい。自由課題を与えたり,自主ゼミを薦めるなど学生中心の学習を促す必要がある。

(g.2.1)学生にあわせた指導(3)

■再受講生に対しては希望により口頭試問を行い,基本的事項に関する易しい問題を説明しつつ解かせている。
■板書させて演習している間に,進んでいる生徒には,進んだ内容に関する設問をして考えさせたりしています。
■余力のある学生に,授業のペースにこだわることなく,自分でどんどん勉強していくように,と常々言っている。また普通の学生にも,指示されなくても演習書(解答がしっかりしている)で,できるだけ問題を解くようにすすめている。

(g.2.2)学生との接触(2)

■授業時間外での学生との接触の機会も有効に利用する。
■毎回の演習結果の一覧を,10回の講義につき1回の割合でグラフを付して配布。面接時には目標を示してやる。学生の一人一人を意識できるよう,名前と顔を覚えて問題点があれば何時でも個人名を呼んで注意したり,評価したりする(これがなかなか出来ないでいます)。

(g.2.3)自由課題を与える(2)

■講義中に出来るだけ自由課題を与え,出来た学生がいたら,それを講義で紹介する。
■『論文』や『研究発表』もできるようにしている。数は少ないが図書館を利用していろいろなことを調べてくる者もいる。

(g.2.4)自主ゼミを薦める(2)

■おもしろい本を紹介する。自主セミナーのやり方を説明する。
■私の数理科学教室では,以前から数理科学科の学生を対象に2年と3年に対して自発的に勉強させる『数学研究』という科目があり,学生が数人のグループに なって自発的に指導教官を選び,自主ゼミをやって単位をとることができる。私は,以前これを4年生のゼミのようにきびしく毎週やったことがあるが,そのな かの数名は卒業後他大学の大学院に進学した。
ゼミのようなきめ細かな指導を早い学年からやれば確かに効果があるが,**大学のような小さなところでは,教官に対する負担がかなり大きい。またこれまで の5年間で私の4年生のゼミに来た学生で,4年生になって初めて勉強の仕方に気がついて,クラブ活動や趣味以外にもっと勉強して学生生活を送ればよかった という感想を述べる学生が数人いた。

(g.2.5)グループ分け(1)

■学生同志わいわい言い合うグループが出来るようにもっていく,しかし,学年やクラスの雰囲気によって全く駄目な場合もあり難しい。
(g.3)授業での工夫(4)

 他の項目と共通のものが多いが,授業での工夫がある。
■図入りの資料(計算結果など)の配布。
■やさしい内容から授業を始める。TAを使っている。
■いま学んでいることがどう社会に応用されるかを考える。
■以前パソコンを利用して数学の授業を展開していた(ただしパソコン使用の授業は年に数回)。内容は,
(1)Basicの使い方
(2)グラフを描く
(3)ニュートン法で方程式の根を求める
(4)微分方程式の解曲線を描く
(5)連立一次方程式,逆行列の解法
年に3,4回課題を与え,レポート提出させていたが,これは大変効果的であった。しかし,教員側の準備が大変である。現在は,パソコン教室,および使いやすいソフトが完備されていないのでやっていない。

(g.4)問題を解かせる

 他の項目と共通のものが多いが,やはり問題を解かせて授業内容の理解を深めることが基本であり,これなしにはどうにもならない。状況に応じてさまざまな工夫が考えられる。

(g.4.1)演習・小テストを行う(6)

■講義中にもできるだけ演習に時間を割く。
■出来るだけ時間内に,演習の時間を確保する(15分程度)。
■授業中にできるだけ演習の時間をとり,基本的な問題を解けるだけの能力を身につけさせる。
■数年前に毎授業の残り20分間を使って小テストを行い,それを採点して次の授業で返していたが,あまりに負担が大きすぎてやめた。
■教科書の問題を演習してもらって,ときどき黒板で解答を示してもらう。試験問題を教科書の演習問題の変形として出題する。
■板書させて演習している間に,進んでいる生徒には,進んだ内容に関する設問をして考えさせたりしています。始めに前時内容に関する小テスト(2問程度,15~20分)を行っています。

(g.4.2)レポート・宿題を出す(7)

■宿題を出す。
■レポート課題を頻繁に出す。
■毎回宿題を出すようにしている。
■宿題を毎回出して,沢山の問題を解いてもらう。
■学生に教科書の問題を当て,次週に解答するように言っておく。次週その学生は家で作った解答を板書する。
■教科書の問の類似問題を自分でつくって解いたものを,好きなときにレポートとして出させる。(出さなくてもよい)
■その上で宿題を出す。概して教科書にある問題は難しく,学生が自分では解けない。自分(教官)が問題を解けるようにして作り直す必要がある。(とれそうでとれないノックの打球)できそうな問題を宿題にしないと意味がない(本の後ろの解答の丸写しで終わり)。

(g.4.3)演習・小テストでの工夫(4)

■講義終了後,必ず演習を行い,机間巡視を行い,個人的に指導する。
■講義中に演習の時間を設定する。まわりとの相談を奨励している。
■前述したように,毎時間問題を解かせて提出させている。個人個人の習熟度も把握できてまずまずの効果。
■演習を1回黒板で解くことに点数1点を加点している。すると演習の時間に黒板で大競争して解いてくれる。

(g.4.4)試験での工夫(2)

■試験問題を教科書の演習問題の変形として出題する。
■中間試験は時間を限って教科書,自筆ノート及び近くの友達と相談可とする
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