部門全体

授業へのレスポンスを高める方策

 1996年の調査では,講義に困ることについてのアンケートでは,「反応がない」にチェックした回答が54%あり第1位であった。何とも対応に困 る項目である。まず,学生の不得手とする分野等を知るために基礎学力を調査するという対策がある。そして,学生の気を引くためにさまざまな工夫をしてみ る。工夫しながら,学生に問題を解かせる。学生に質問する,学生の質問を受けるなど学生との対話は欠かせない。学生がいやがる場合もあろうが,社会人にな れば相手は選べないのだから,誰とでも対話できる訓練が必要であるという観点で,学生に質問する。オフィスアワーも日本では上手くいったという話はあまり 聞かないが,学生との関係がよければ機能するかもしれないので,試みる価値はある。

(h.1)基礎学力調査を行う(1)

 これは基本的であって,あまり表には出てこないが,いくつかの大学では実施されているようである。
■入学試験の多様化にともない学生間の学力も多様化してきており,学生の学力を把握して教育計画をたてることが重要との認識から新入生にたいして,基礎学力調査を行っており,問題別の正解率等を調べ学生の不得手とする分野等を知る手だてとしている。

(h.2)学生の気を引く

 学生の関心を授業に向けるためには,学生が理解しやすい授業をし,応用例を示すことによって興味を起こさせるなどの工夫がある。間違いを見つけたものに加点する手もある。賛否両論があるが,マルチメディアによる方法もある。

(h.2.1)学生が理解し易い授業(3)

■毎回の授業でプリントを配布する。毎回の授業の終了間際に小テストをし,これを提出させる(名前を書かせるので出欠の点検にもなる)。
やさしい内容から授業を始める。
■授業を開講する際,学生が何かを知っているということを仮定しないほうがよい。何も知らなくても聴くことが出来る授業が理想的。
■90分授業の中程で5分位の休みを取って,学生に考える暇を与える。また,個々の学生とコミュニケーションを取ったりして,堅苦しさをやわらげる。

(h.2.2)授業内容の応用例等を示す(5)

■現実の場面で,どのように使われているかを説明する。
■修士論文への応用例を示唆する。
■専門の授業で必要なことを説明する。
就職試験問題,大学院入試問題を用意する。
■証明した定理等の応用として,教科書に書いていない興味がありそうなことを述べることにしている。
■学問の楽しさ,難しさ,素晴らしい点,役立つ点等を伝え続け,学生がそれを“自主的”に受け止め,そして進んで来てくれるのを“待つ”しかないと思います。

(h.2.3)間違いを見つけた者に加点する(2)

■講義でまちがいを見つけたものに加点する。
■先生の板書ミスを発見した学生には,+αの成績をつけると約束しています。

(h.2.4)メディア等を使う(4)

■電子メールで個別の質問に応じることにしていると,興味をもってくれる学生もいます。
■レポートをE-mailで提出させることによって,マンツーマンの教育に似た効果を得ていると思われる。
■これからの目的を達成する一つの試みとして,今回,群論の講義に計算機演習を組み込んで見た。
■TAを使っている。
(h.3)問題を解かせる

 問題を解かせると,とりあえず学生は授業の中味に関わることになる。この機会を利用して無関心な学生にさまざまな工夫でアプローチするとよい。

(h.3.1)レポート・宿題を課す(3)

■毎回,基本的な内容についてレポートを提出させる。
■時々,ちょっとした課題を提出させてすぐに返却する。
■演習問題は家で解いて来て,講義開始前に黒板に書かせ,必ず発表者と discussion してみせる。多くの場合再度修正させることになる。(時間が足りない!!)

(h.3.2)授業中に問題を解かせる(4)

■小テストを実施する。
■授業中,可能な限り学生に質問し,応答することを要求する。
■講義中に学生にノートで問題を解かせる。問題を解かせている時間帯に歩いて見てまわり,個人個人の質問に答える。
■なるべく問題を解かせ手を動かしてもらうことで,講義に参加しているという意識を持ってもらおうと心がけています。

(h.3.3)演習中に机間指導を行う(3)

■学生を頻繁に指名する。学生の名前を覚える。演習の時間を組み込み,机間指導を徹底的に行う。
■学生の所へ歩いていって,直接質問に廻る。しかし,反応がない。したがってもっと(質問の)レベルを下げて,対話を試みる。(この繰り返し)(時間がかかる)
■講義中に学生にノートで問題を解かせる。問題を解かせている時間帯に歩いて見てまわり,個人個人の質問に答える。
(h.4)学生との対話

 無関心な学生から反応を引き出すためには,まず教師からコミュニケーションをはかる必要がある。即効性は期待しないで対話の努力をしてみるのがよい。筆者の経験からいうと,学生の名前を覚えて授業中に名前を呼んで質問すると効果的である。

(h.4.1)学生とのコミュニケーション(3)

■学生とともに学ぶ姿勢を示す。教師と学生は「学ぶ」という点において対等であると教える。いばらない。
■90分授業の中程で5分位の休みを取って,学生に考える暇を与える。また,個々の学生とコミュニケーションを取ったりして,堅苦しさをやわらげる。
■(a)-(h)の個々の点について明確に対処しているわけではないが,講義において学生とのコミュニケーションを行っているということを念頭に置くことで,(a)(b)(c)(h)解決しようとしている。

(h.4.2)学生の名前を覚える(2)

■学生を頻繁に指名する。学生の名前を覚える。演習の時間を組み込み,机間指導を徹底的に行う。
■演習などでも学生番号でなく名前であてるとか,名前を覚えるだけでも,学生からの反応がかつてより違ってくるように思う。

(h.4.3)学生に質問する(6)

■学生を頻繁に指名する。
■簡単な計算をあてて答えてもらっている。
■授業中,可能な限り学生に質問し,応答することを要求する。
■できるだけ学生を指して学生と対話するように心がけている。
■学生をあてて質問する。特にバックベンチングしている学生をあてる。
■最近の学生は,分からなくても質問しないので,教師は学生が全然わかっていないということを見逃してしまう。これをさけるため,逆に教師から学生に質問する(授業中に)ということを時々やっている。こうすることで,理解の度合が分かる。

(h.4.4)学生の質問を受ける(4)

■質問を積極的に受ける。
■学生の質問には,徹底的に答える。この効果はかなり上がった。
■何度となく「分からないところがあれば遠慮なく質問してください」と言って,学生が気軽に質問できるような雰囲気を作るように努めている。
■最初からレスポンスを期待しない。授業のうちの3,4回ぐらいまでに,何回か学生が質問したり,意見をいったりする。それを上手に授業に生かしていくと,明るい授業になっていく。

(h.4.5)講義終了後の質問(2)

■講義終了後,可能なかぎりその場にいて,質問を受けたり,雑談をするようにつとめる。最近は私自身雑談をすることに苦痛を感じている。(教養部で講義を していたとき,終了後いつものように教壇の位置で雑談や質問をうけていたら,全く関係のない学生が教室に入ってきて,質問のやりとりの輪に入ってきたこと がある。)
■上記小課題での質問の受け答えなどからか,授業に対する質問も授業終了後には少しずつみられるようになった。
小さな質問の積み上げが授業へのレスポンスを高めるような気がしている。

(h.4.6)オフィス・アワー(2)

■オフィスアワーをもうけたが,学生は全然こない。講義の後で教室で時々質問してくることはあるが。
■授業時間が少なくて,充分に質疑応答の時間がとれないが,週日の4時から5時までを質問時間として,学生の質問に対応している。講義レポートに書いてある学生の疑問について授業の時説明することもある。

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