部門全体

授業をよくしましょう

 教育改革の最前線は、授業です。各教員が自らの授業をつねに吟味し、改善 していくことは、社会の期待に応える学生を卒業させていくことに結びつきます。授業改善は、学生と教員の共同作業、調和から生まれます。
このホームページは学生が提案する授業改善方法と北大で進められている学生参加型授業についてまとめました。ご参考に願います。これは、教員への提案で すので、教員が主語の形で表現しています。
また、授業改善のさまざまなアイディアの提供、改善への討論も可能なように掲示板ももうける予定です。これにより、学生による授業改善をさらに充実さ せ、また、教員が勧める授業改善法の提示していきたいと考えます。

学生が提案する授業改善方法

  北大では、1999年から毎年、学生による授業アンケートを行っています。以下は、学生が提案する授業改善法です。授業アンケートにおける学生の意見は、 授業の受け手が提案する授業法改善法として的をえていますので、高等教育機能開発総合センターのホームページに掲載しました。各教員の授業改善に役にたて くださることを願います。

はじめに-講義の改善

 講義は,教員というその分野の専門家が,概念,知識を整理して,学生に伝達するのに適しています。
しかし,講義は一方的伝授となり,学生との双方向性のコミュニケーションはとりにくく,教員は教えたつもりの教授錯覚に陥りやすいものです。
教えたはずのものが,試験をしてみると,全体的に成績が悪い,半数近くも不合格というのでは,教員が学生に対応しきれていないといわざるをえません。

講義,授業の事前の準備

 

(1)シラバス

 授業改善の第一歩は,授業を事前に周到に設計することです。
つぎのことを意識する必要があります。ご承知のように,現在進行しています大学評価はその大学の理念,目標を実現するために,具体的にどうしているかが問われます。教育の最前線である授業も,大学,学部等,組織のなかでの役割を踏まえる必要があります。
「あなたの授業はどうして必要なのですか?」
「あなたの授業は大学,あるいは学部でどんな教育的役割を担うのですか?」
「あなたの授業と他の科目との関係は何ですか?」
「学生に何を学んでほしいのですか?何のためですか?」
「与えられた回数の授業を受けることで,学生が何を身につけたといえるようになるのですか?」
■授業設計では,学生が何をどの程度(どこまで)身につけたといえるようにするかを明確にします。大学・学部の理念・目標と関連して明確にします。これにより,授業の方法,評価の基準も明確になります。
■授業科目は,その大学,その学部での必要性から立案,授業実施されるものです。大学・学部の理念にそって授業は周到に計画されていなければなりません。
■シラバスには,その科目の理念・目的,到達目標(ゴール),授業の展開(各回の授業内容),評価方法を明示します。これにより,授業は体系的に,計画的に展開されます。
■学生が,事前に内容を把握し,予習,学習計画が立てられるようにします。
■授業はシラバスにそって体系的に展開します。
■シラバスは,一般には各学部の他の授業との関係で,一冊にまとめて印刷されるべきです。
■シラバスは毎年修正されるはずであり,授業のはじめに授業日程や担当教員をいれた形で学生に配布します。

(2)プリント、スライド、OHPなど

 これらのメディアは,授業をわかりやすくするものとして,用意します。
授業時間の不足を補う,または,授業時間を節約するために用いるものではありません。

(3)各授業の進行計画

事前に,授業進行のシナリオを構成します。
この際,学生がどこまで知っているかを考慮します。授業は,学生の知っているレベルから入らなければ,学生はついてこれません。
クラスにいろいろなレベル,多様な学生がいることを考慮します。とくに,大衆化大学となっている現状では,入学させた以上は適切な教育により,付加価値をつけて卒業させる義務と責任があります。
教員は,学生がついてこられることを確認しながら,大学レベルの教育環境を提供し,学生の学習を適切にガイドしなければなりません。
講義、授業

 

(1)時間

■授業を時間どおりに開始します。
■授業の終わりには質疑の時間をとれるようにします。
■最後に個別の質疑に答えられるように,時間的に余裕をもつのがよい。

(2)進行

■はじめに授業全体を紹介し,順序よく,体系的に進めます。
■はじめに目標,背景を明確にします。
■本論を明確にし,よく準備されたことが伝わるようにします。
■体系的に進行します。
■重要な点は繰り返すか,言い方をかえて説明します。
■できるだけ,具体的に,リアルに紹介,説明します。
■最後に,全体をまとめ,重要な点が何かわかるようにします。

(3)話し方

■大きな声で,腹からの発声で,はぎれよく話します。
■一番後ろの学生にも話しかけるように発声します。
■大きな講堂はマイクを使う。
■間の取り方,強調,抑揚に気をつけます(何が重要かが伝わるように話す)。
■ややオーバーな抑揚もよい。
■速すぎない話し方をします(400字原稿用紙2枚で3分ほど)。
■ノートのとれる速さの話し方をします。
■助詞,語尾も明確に発音します。
■アー,オー,を避けます。
■聞き取りやすい発声,発音をします。
■アイコンタクトをしながら話します。

(4)話しの内容

■少しのユーモアはよいが,過度のユーモア,駄洒落は嫌われるので気をつけます。
■学生を馬鹿にするとか,他の教員の悪口は嫌われるので気をつけます。
■略語はできるだけ使わない。
■聴衆の理解できる言葉で話します(専門用語に気をつけます)。
■内容を具体的に,現実的に,学生の身近な問題として述べます。
■抽象的内容も具体的に丁寧にわかりやすく話します。
■内容を,発想,背景,今日的発展性,社会性で現実的に述べます。
■他との関連性についてもふれます。
■現実的研究課題とも関連させます

(5)板書

■大きな文字で,色濃く書く。
■適正な色づかいをする。
■楷書で書く。
■横文字はできるだけブロック体で書く(筆記体は読めない)。
■横文字は,できたらプリントを用意する。
■黒板に整理して,体系的に書く。
■番号は順次性がわかるように体系的につける。
■ノートがとれる速さ,横書きで書く。
■消すときも速すぎないようにする。
■書きながら,早口で説明しない。
■図,模式図,グラフも理解の速さで描き,説明する。

(6)視聴覚メディア

 近年は,電子情報メディアによる教材が発達している。また,学生もテレビ,映画,コンピュータなど映像情報の時 代に育っている。授業では,OHP,スライド,ビデオ,マルチメディア(CD-ROM,インターネット)の特質を熟知した効果的活用が勧められる。これを 上手に利用する授業の評価はよい。
■画像,動画像は情報量がきわめて多い。伝えたい情報量,伝達の速さを顧慮した注意深い利用が必要となる。
■記憶しなければならない語句はメディアでは十分に伝えられないので,プリントを用意する。
■板書のかわりにメディアのみを使うことは避けた方がよい。
■メディアはあるリアリティを伝えるものとして有効である(特にビデオ,写真)
■文字は,後ろからでも充分見える大きさで用意する。

(7)態度

■教員の熱意が伝わるようにする。
■専門の研究内容も紹介し,わからないものはわからないと伝える。
■余裕のある態度で進行する。
■専門家としての自信をもって対応する。
■クラスに貢献する学生をほめよ。
■詰め込みすぎにならない量で,丁寧かつ紳士的な授業を展開する。

(8)難易度

■学生が知っているレベルからはじめる。
■内容を学生の一般的知識に関連させながら授業をする。
■学生の理解の速度にあわせて進める。
■教師中心にならず,学生が何を身につけてほしいのかを明確にして,進行する。
■学生が理解しているかどうかを常に鋭敏にモニターしながら話す。

(9)双方向性

■学生の名前を覚えて使う(学生に名前で質問する。質問があったら,名前で指名する)。
■学生の発言をうながす。
■学生の発言を歓迎する。
■学生の発言,意見,質問を注意深く聴く。
■学生の質問には丁寧に答える。
■学生の意見には建設的に対応する。
■学生の個々に紳士的に対応する。
■学生が理解しているかどうかを鋭敏に感じとり,対応する。
■さらに情報を求める学生に適切に対応する。

(10)試験

 不合格者が多い,あるいは成績が悪いものが多い場合には,教え方に問題があることを疑うべきです。
アンケート結果概略

 ここでの授業改善方法は北大で1999年から実施している「授業アンケート」の自由意見を整理したものです。以下は,授業アンケートの項目群と関連する意見の比率とアンケート項目を示します。どの項目群に意見が多いかがわかります。

シラバスとその内容:シラバスと授業(1640意見中8.5%)

■シラバスは,授業の目標,内容,評価方法を適切に示していた。
■授業は体系的に行われていた。

教師の授業法:教師と授業(24.4%)

■教員の熱意が伝わってきた。
■教員の話し方は聞き取りやすかった。
■授業は,難解な概念,理論があっても,わかりやすかった。

メディア(教育媒体)(42.7%)

■黒板,スライド,OHP,ビデオ,教科書,プリント等の使われ方が理解の促進に効果的だった。

負担:作業量・負担(9.1%)

■授業の進行速度は適切であった。
■授業で要求される作業量(レポート,宿題,自習など)は適切であった。

学生参加:学生との相互反応(7.3%)

■教員は効果的に学生の参加(発言,自主的学習,作業など)を促した。
■教員は学生の質問・発言等に適切に対応した。

難易度(3.0%)

■授業内容の難易度は適切であった。

学生の満足度・達成度(4.9%)

■授業により知的に刺激された。
■授業の履修目標を達成できた。
■授業内容の他の領域との関連について理解できた。
■授業により,新しい知識,考え方,技能を習得でき,さらに深く勉強したくなった。

出席・態度に対する学生の自己評価(1720意見のうち6.8%)

■この授業に対するあなたの出席率はどの程度でしたか。
■質問,発言,調査,自習などにより,自分はこの授業に積極的に参加した。
学生参加型授業のすすめ

 21世紀の高等教育には,課題探究能力の育成,創成型授業,デザイン型授業が勧められています。
これを具体化する授業法として北大では小グループ学習型学生参加型授業を勧めています。

 学生をグループに分け,各グループ員の能力を最大限に引き出し,学生間で問題解決していくように設定します。各 グループの学習進行状況は常にクラスに公表され,内容はクラス討論を通じて批判,修正されます。多くのテーマは関連の社会や現場へ出て調査します。また, グループやクラス内での相互反応 interaction ,相互影響 group daynamics を重視します。

 このような授業は,入学直後の学生から開始することが重要です。
入学早期の一般教養教育では,知識詰込み型授業よりも,問題提起・問題解決型授業が重要であり,とくに,この問題を,学生が自らのものとして自覚できるものが好ましい。

教師の役割

■知識伝授者でなく,野球チームのコーチのような役割を演じます。
■教師は,必要な場面に応じて,グループ学習の方法,調査の方法,調査場所の紹介,インタビューの方法,OHP発表資料の作り方,35ミリスライドの作り方,ビデオ撮影と編集の仕方,発表の仕方,話し方,ことばづかいなど様々なことを指導します。
■これらの作業はできるだけクラス全体の中で行います。
■教員の授業評価は,授業の生産性でも測られます。
■一方通行的な知識伝授中心授業では,その成果は教えたことを覚えているかどうかで測りますが,一般には,暗記が中心で,問題解決能力の評価まではできません。
■学生中心の行動的学習型,参加型学習では,学生に現れる教育の成果は,実に多様で種類も多い。
■活発な討論能力,コミュニケーション能力,リーダーシップ,協調性,共同作業能力,責任感,社会性の把握,能動的行動力,チームワーク能力,知識発見,自己発見,自己能力開発など,高い教育効果,大きな教育の生産性を示します。
学生参加型授業の設計

 

1) 発言できる雰囲気

 まず,自由に発言できる雰囲気をつくります。これには,ゲーム,他己紹介,ブレインストーミングなど様々な方法があります。

2) グループ分け

■グループにわけ,各構成員の個を注目していることを意識させ,参加意識を高め,個性を発揮できるようにする。
■各グループの人数は小人数では5~6人,多くて10人ほどとし,できるだけ多様な個性の集団とする。
■ひとつの教室で行う場合は「島」を形成してグループ作業をする。
■全体討論のための大教室を中心に,各グループが作業できる小部屋を用意するのがよいが,教員をあまりもてない日本の現状では大教室でグループ作業をするのが現実的である。

3) グループでの役割分担

グループ構成員は,それぞれ何らかの責任ある役割を担当するようにする。
■リーダー(最も重要な役割で,作業のゴールと作業進行の時間を把握して,管理する。)
■レポーター(報告者:クラスで発表する。)
■レコーダー(記録者:グループ作業の成果をまとめる。レジメとしてクラスに配布することも必要であろう。)
■資料作成係(発表資料,レジメなどを作成する。)グループ員全員が共同で行う。
また,様々な調査もグループ員全員参加となろう。

4) グループ作業の役割交代

■個々の作業(役割分担)が特定の人物に偏らないようにする。
■グループ作業は,全員で討論しながら各構成員が役割分担するが,何度もグループ作業をするさいには,役割を変えながら進行する。
■これにより,学生にの自己発見,自己開発がなされる。
■たとえば,放置すると,リーダー格の学生,参加しない学生などが固定してきて,学生間に色分けができてくる。これは不満にも結びつく。指導の重要な要となる。

5) 作業のガイド

■学生の理解と反応の早さにあわせ,具体的に何をするのかをガイドする。はじめは急がず,順に熟させながら,進める。■作業のガイドは,教員の重要な役割となる。
■学生の自発的発想,成果を重視する場合には,教員は積極的に作業をリードすることをしない。
■ 適切な助言を与えながら,学生間で問題解決していくようにリードして行く。
■この点が従来の演習とやや異なる。
■目標の明示:決められた時間に何をどこまでを完成させるか,行動目標と作業を具体的に明示する。これも教員の重要な役割である。
学習の内容,学習に必要な作業,そして,具体的に何をするのか,どこまでするのかをガイドする。たとえば,グループ作業のすすめかた,情報収集のしか た,インタビューのしかた,アンケートの方法,レジメのつくりかた,ビデオ取材のしかた,発表のしかた,発表資料のつくりかたなど,その科目の目標達成に 必要なさまざまな手段を指導する。これらには各々短いレジメを用意するのが効果的である。これらは必要となるときに各10分程度のミニレクチャーで行うと よい。ミニレクチャーは30分を越えないほうがよい。

6) 評価

■評価の方法は,その科目の目標により様々である。
■各学生の評価には,出席,討論,発表,コミュニケーション,作業の参加度な様々な項目,レポート,ポートフォリオなどで行う。
■必要あれば,試験も行う。
■出席は,共同作業であるので重要な指標である。
■多様な評価をおこなうが,これらは事前に学生に明示しておく。
■日常の学習の記録となるポートフォリオも有効であり,重視していきたい。
双方向型授業の例

 

(1) 氷解(アイスブレーキングice breaking)

集団で自由に発言し,討論できる雰囲気をつくることで,ゲーム,コンパ,懇談会などが有効である。

(2) ブレインストーミング brain storming

きめられた時間内に,あるテーマについての発想をできるだけ多く提出する。このさい発言に批判的意見はいわない。

(3) 1対1討議 man to man discussion

あるテーマについてふたりで討論する。一方がリード役とし,相手の意見をまとめ全体に紹介する。

(4) バズ討論buzz discussion

あるテーマについて隣りあう数人で自由に討論する。ワイワイ(buzz)ということになる。

(5) KJ法

川喜田次郎(1967)によって開発された個人による発想法であるが,グループ作業にも用いられる。カードに関連する連想事項を各グループ員から出させ,類似のものをまとめて,これを並べることで整理し,発想,論理の流れ,理屈付け,創造性の訓練によい。

(6) ディベートdebate

あるテーマについて,肯定側,否定側,審判側にわかれ,肯定側,否定側とがルールにもとづいて議論し,最後に勝敗の判定を審判側が行う。
自分の立場を離れて,理屈にもとづく論理を展開する。論理的思考,論理の組立,多様な物の見方を体得する訓練によい。

(7) ロ-ルプレーrole play

ある模擬環境を設定して,現実を模倣し,人物の心理様態などを理解するのによい。
臨床場面での患者心理,裁判での被告の心理などの解析によい。

(8)フィッシュボール fish ball

 金魚鉢のことで,演技グループを中央に観客が取り巻く形,後で討論し,演技を客観視する。

(9)モックインタビューmock interview

専門家を囲む記者団の形で模擬記者会見で,たとえば,探検隊(事前に文献等で調べておく)が新聞記者・雑誌記者(新聞記事,雑誌の特集をくむ)にインタビューされる模擬的設定を演じる。ロールプレーの一種である。

(10) フォーカス・グループ・インタビューfocus group interview

ある現実的課題の解析,意見について,有能な司会者のもとに集団で自由意見をいう会で,集団内での相互影響を有用視する。たとえば,新商品の宣伝の効果の解析などである。

(11)問題解決グループ作業 problem based learning

あたえられた具体的課題についてグループで,決められた期限内に解決案のレポートを提出する。期限は数10分から数日となる。
たとえば,ある患者の具体的データをあたえ,その診断,治療方針をださせる。
チュートリアル教育にも用いられるが,チューターはガイドに徹し,出てきたレポートをみて,さらに問題点を指摘し,解析を深めさせる。

(12)討論学習 learning through discussion

ある教材(文献,標本などをブループにあたえ,まず各自がその内容をまとめる。ついてグループで討論し,定められた時間内にまとめ,発表する。

(13) 異文化関係トレーニング intercultural communication training

文化の異なる集団(人種,国籍,職種など)を想定するグループに別れ,各グループは議論によりその特質を明確にする。ついでそこに別のグループから代表 を派遣され,生じる異文化関係を明確にする(たとえば,商品の生産者と商社で商談)。これにより異文化間交流を模擬体験,解析する。

(14)模擬研究

研究に用いた標本を与える。実験の材料と方法は公表しておく。
各学生はそこから結果を読みとり,レポートを書く。ついで,グループ討論し,共同研究の形とし,成果をまとめ,発表する(学会発表の形式)。
未知のものの問題解決の体験,訓練によい。

(15)教室外学習

学生参加型授業では,さまざまな教室外学習を要求する。文献的学習の他に,その科目,あるいは学習テーマの現場に身をおくことがきわめて効果的である。実験室での体験学習もよい。
できるだけ,社会にでて調査をさせ,そのテーマの社会性を把握させることも効果的である。
こうして,大学と社会との連携学習が進行する。教師は,求められると必要な情報を提供する重要な学習資源となる。

(16)成果の共有

成果は,何らかの形でクラス全体で共有する。これには発表形式が一般的である。
社会的に責任ある学習を体験することになる。
メディアには,OHP,スライド,ビデオも活用する。これにはレジメも用意する。
また,最近は,情報教育の成果で,発表に電子メディアを用いることも一般的となっている。
すべての教室が電子メディアに対応することも必要となっている。
学生参加型授業の留意点

 

1)学生同士の相互作用■学生の質問,参加,討論,論議を歓迎する。

 

■学生同士の相互作用を重視し,教師自身の疑問,回答はさしひかえる。
■教師は,学習の方法について求められた場合,適切に指導する。
■学生が質問してくる時間,討論する時間を十分に用意する。
■学生が,難しい質問に回答することを関係する。
■学生同士の討論を遮らない。
■学生同志,学生と教員の対話できる機会をつくる(グループの形成など)。

2)学習のガイド

■学習の方向,方法を明示する。
■学習の目標,作業の目標を明示する。
■評価の方法,基準を明示する。

3)学習の時間

■学習が完結するための時間を用意する。
■教室外の学習の時間管理を具体的に指導する。
■教室外学習の成果を具体的に把握し,評価する。

4)社会性・現実性

■学生参加型授業では中心となる部分であり,学習テーマに関して,現場・現実で学ぶ状況をいれる(学生は将来像を具体視できる)。
■社会にでて調査をするので,始めに礼儀ありき;礼儀,社会背景などをふまえた社会的行動を指導します。

5)発表

■様々なメディアを用意する。
■メディアの用意するための発表までの時間管理を指導する。
成績評価と単位
成績評価には,科目の進行途上でフィードバックを目的とした評価と,終了時に目標に達したかどうか,どの程度達したかを評価するものの2種類がありま す。途中の試験は,学生の学習進行と教師の教え方との関係をモニターし,教師の授業法および学生の学習方法にフィードバックし,その改善,修正をはかるこ とを目的とします(形成評価)。一方,最終試験は,成績と直接関連します(総括評価)。
 成績評価のための試験には,以下の様々な方法があります。
論述試験,口頭試験,客観試験(マチプルチョイステスト),実地試験,模擬実地試験(モデル,コンピューターなどで実際と同様の設定を模擬てきにつくり試験),観察試験,レポート,論文など
これはシラバスの評価に明示し,とくに各試験方法の比率を書き込むことも勧めます
(たとえば,出席30%,筆記試験30%, レポート20%,平常点20%)。
 試験は従来ペーパーテスト中心で,この成績だけで,評価する傾向でした。しかし,つぎに述べる記憶中心でない授業では,観察評価が中心となります。観察評価では,多くの項目のチェックリスト,あるいは適当数の項目の尺度評価(5段階あるいは4段階評価)で行われます。
成績評価では,最近,単位の時間計算と関連して出席をどうするかが問題となっています。
大学の授業では,予習15時間,授業出席が15時間,復習15時間,総計45時間で1単位の学習と定義しています。通常の講義であれば,1回90分授業 を週に1回,1学期15週行うと,2単位という計算になります。語学や実験は,授業に擦過することが学習の中心となるので,講義の半分の1単位計算として います。
単位制では,学生の学習可能な時間を考慮して,単位の上限が算出されています。これは4年間で124単位,半期に15単位ほどとなります。これは基本的 には,1日8時間,週に45時間という労働時間の上限と同様に計算されます。これでは,週5日の授業日で1日2から3コマしか履修できない計算となりま す。しかし,単位に相当する学習ということが定着していない日本の大学では,学生は隙間のない過剰な単位履修をする傾向にあります。授業に出席しさえすれ ば,単位が認められる,あるいは,出席しなくても,履修届けをだしていさえすれば単位が認められる,とうことが現実に行われています。このため単位履修の 上限が最近みなおされています。
しかし,日本の現状では履修科目数を制限するのみでは,学生は余裕のある時間を勉学以外に活用するでしょう。また,1単位45時間の学習を15時間の授 業で提供するということは,教員の授業責任の明確化でもあり,教員に授業法の変革を求めていることでもあります。出席しなくても試験だけできていればよい という意見をいう教員がかなりいるし,これが伝統となっている大学もあります。しかし,学生がほとんどでてこないとか,本当に授業にでなくても試験だけで 合格できるといいうのでは,大学の授業の価値はなく,これを肯定するようでは何かが間違っています。授業は,授業外に30時間勉強してもらうための指針で もあるので,単位制では学生は授業に出席することは必須の条件であり,そのような授業をすることは教員の責任でもあります。単位の上限を明確にするという ことは,教員が学生の出席を前提としなければならないような授業をすることの責任を問うことです。
一方,最近の単位の上限の議論は現実に即しない面もあるこことに留意してください。社会的責任のうえで,明確な出口学力が問われる医系(とくに医学・歯 学部)では,単位の上限をこえる2倍近くの履修をせざるをえないカリキュラムとなっていて,ほとんどの科目は必修となっています。また,一般の学部でも必 修科目が不合格となり,再履修を要する科目が多いときには,上限をこえた履修もやむをえないこともあります。

 

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