活動内容詳細
ACTIVITIES

韓国建国大学のJANG Doek-Ho(ジャン・ドクホ)教授を客員教授としてお迎えしました
高等教育研究部 准教授 飯田直弘
2025年6月21日から8月31日にかけて、韓国建国大学のJANG Doek-Ho(ジャン・ドクホ)教授を本学客員教授として研究部にお迎えし、2回の研究会と1回の国際セミナーを開催しました。ここでは第2回研究会の様子をご紹介します。
2025年8月1日に開催した第2回研究会には、研究部所属の教職員4名に加え、大学院生2名、学部生1名(カナダ・マギル大学からの参加者)の計7名が参加しました。研究会では、Jang先生に“Recent Policy Developments in Korea’s University Admissions System: Contextualizing Holistic Evaluation”というテーマでご講演いただき、その後参加者との質疑応答を行いました。
ご講演では、韓国の大学入試制度が社会全体に与える影響を踏まえつつ、1945年以降の歴史的変遷に始まり、2028年入試改革に至るまでの一連の政策的展開が紹介されました。特に、2022年の改革における「金のスプーン入試(gold spoon screening)」批判への対応、共通試験である大学修学能力試験(CSAT)に基づく選抜比率の拡大、学修履歴評価の信頼性確保に向けた具体的な取り組みについて詳しく解説されました。また、2025年から本格的に導入される高校単位制や2028年に向けたCSATの再編に伴い、大学がどのように学力、適性、人格、成長可能性といった多面的な能力・資質を評価していくのかが論じられました。
さらに、ソウル大学や延世大学など主要大学の対応・方針に触れながら、今後の大学入試における「多面的評価(holistic evaluation)」の重要性が一層高まることが示されました。参加者にとっては、韓国の大学入試制度改革の具体像とその背景にある社会的要請を理解する貴重な機会となり、日本の大学入試改革を考える上でも多くの示唆を得ることができました。